「天気の子」「君の名は。」の新海誠監督によるシンガポールが舞台のCM
日本でもテレビ番組やCMの舞台となることの多いシンガポール。
ここ最近話題となっているのが、2016年に公開され歴史的大ヒットした映画「君の名は。」の新海誠監督による、シンガポールを舞台にした大成建設のアニメCMだ。
「君の名は。」はシンガポールでも「Your name」というタイトルで公開されたのは記憶に新しい。
このCM動画、とにかく素晴らしい映像なので、是非見て欲しい。
監督らしい緻密な風景描写と情報量、そしてモノローグ。
わずか30秒の映像にも関わらず、シンガポールに住んでいる人であればニヤリとするシーンも多い。
このCM制作について
大成建設サイトからの引用
「東南アジアの貿易・金融の中心地であるシンガポール。国の中央部を南北に縦断する地下鉄トムソン線建設工事に携わる一人の女性技術者が故郷の同級生に想いを馳せながら、未来に向かっていきいきと仕事をする姿を描きました。監督は「君の名は。」の新海誠さん。主人公の声を演じるのは、長澤まさみさん。音楽はスキマスイッチ。アニメーションはコミックス・ウェーブ・フィルムが制作しました。」
主人公の声優は長澤まさみさん、音楽はスキマスイッチという贅沢かつ鉄壁の布陣。
ちなみにスキマスイッチの新曲「ミスターカイト」のMVとして、今回の映像も含めた歴代の大成建設のアニメCMが使われている。
各シーン解説
水辺のウッドデッキ
主人公が歩いているウッドデッキと、フェンスに埋め込まれている特徴的な街灯を見てピンと来た人もいるはずだ。
そう、ベイサンズ前の歩道だ。
このウッドデッキはベイサンズ周辺に数カ所ある。
この写真は金融街側。
アート・サイエンス・ミュージアム側にも同様のデッキがある。
アート・サイエンス・ミュージアムと金融街の夜景
続いてのシーンは「アート・サイエンス・ミュージアム」と「金融街」の夜景。
左に側に写っている白い蓮の形をした建物が「アート・サイエンス・ミュージアム」だ。
場所は風景から「ユース・オリンピックパーク」から「ヘリックス・ブリッジ」にかけての歩道だ。
ヘリックスブリッジからの風景。
函館の路面電車
主人公の故郷の函館の風景。
常夏の南の島での仕事との対比が印象的だ。
そういえば、主人公は北海道なまりがないな。
筆者も北海道を出てン十年で、すっかり北海道なまりは消え去ってしまったが。
Canteenの風景
Canteen(食堂)の風景だ。
しっかりシンガポールでロケハンしたんだなと感じるのがこのシーン。
左に立っている女性の髪型や服装、メガネ、化粧っ気のなさはシンガポールの中華系女性のイメージそのまま。
後ろに見えるシンガポールのバナーや、テープルの上の料理の様子が、シンガポールに住んでいる人間にすらリアルを感じさせる。
工事現場とマリーナベイ・サンズ
MRT駅「Marina Bay」周辺の工事現場が舞台。
後ろにマリーナ・ベイサンズ、左奥に小さく写っている三角屋根のビルがミレニアタワーだ。
現地は現在も工事中で中に入ることはできないが、マリーナベイ駅から近くまで行くことはできる。
地下工事現場
最後は地下の工事現場。
舞台となった工事
この工事はシンガポール北部のウッドランズと南部のマリーナ・ベイを結ぶMRTトムソン・イーストコーストライン約30kmの地下鉄工事だ。
全22駅を分割してシンガポール政府が発注し、大成建設、五洋建設そして海外建築会社などが分担して受注した。
大成建設はトムソンライン南端の「マリーナ・ベイ駅」と周辺の地下トンネルを担当しており、今回のCMの部隊もそこだ。
今回舞台となった区間の完成は2021年の予定で、全線開通は2024年の予定だ。
工事現場付近の大成建設の看板。
後ろにベイサンズが見える。
新海監督は自身の公式ツイッターで下記のように現場の様子を述べている。
あらためまして、大成建設の新CMを監督させていただきました。CMではほんのすこししか描けていませんが、難しい地下鉄工事のための土壌改良や凍結工法、減圧されるシールドマシン内部等々、実際の現場は圧巻でした。
大成建設CM:「シンガポール」篇 https://t.co/ZwXE93e5WG @YouTubeから— 新海誠 (@shinkaimakoto) 2018年5月7日
シンガポール国内の反応
シンガポール国内でもこのCMについての報道がされている。
最後に
自分の身近な場所がテレビ番組やCMに取り上げられるのは嬉しいもので、新海作品好きの筆者としては自分の住むシンガポールを舞台とするこのCMに反応せざるを得なかったことを告白する。
以上、新海誠監督によるシンガポールが舞台のCMに関する備忘録。
コメント
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