シンガポールの出入国カードの書き方と入国審査トラブルあれこれ
オンラインで電子化された出入国カード申請をする場合
いくつか条件はあるのだが、シンガポールの出入国カードが電子化され、オンラインもしくは専用アプリで事前に提出できるようになった。
そちらを利用する場合は、下記の記事を参照して欲しい。
この記事ではシンガポールへ入国する際に提出する紙の出入国カード(DEカード)の記入例を紹介する。
シンガポールの出入国カード記入例
- 姓(ブロック体でパスポートと同一表記)
- 名(ブロック体でパスポートと同一表記)
- 性別(男性なら「Male」、女性「Female」にチェック)
- パスポート番号
- 現住所(区・市)
- 現住所(都道府県)
- 現住所(国)
- 搭乗便名(飛行機、フェリーの場合は便名、陸路で自家用車で入国する場合は車のナンバー)
- シンガポールの滞在先名(ホテルに滞在ならホテル名だけでよい。ホテル以外の場合はその住所を記入する)
- 滞在先の郵便番号(住所に記載されている6桁の数字のこと)
- 連絡先電話番号
- 出生国名
- 生年月日(日-月-西暦)
- 滞在日数(シンガポールに赴任する際は空欄で良い。入国審査時に就労ビザの仮許諾(IPA:In-Principle Approval)書類を係官に見せること)
- 国籍
- シンガポール入国直前の最終搭乗地名
- シンガポール出国の最初の到着地名
- 過去6日間に、アフリカもしくは南米に行ったか?
- 過去に現在と異なる名前のパスポートでシンガポールに入国したことがあるか?
- 過去にシンガポールへの入国を拒否されたことがあるか?
- 署名
- 姓名(ブロック体でパスポートと同一表記)
- 国籍
入出国カードへは黒か青のペンで記入すること。
上記の入出国カードの記入例はこちらからPDFでダウンロードできるので、スマホに保存するか印刷するなどして、機内でカードに記入する際に使って貰いたい。
出入国カードの最新フォーマット
記事作成時点の出入国カードは上記のようになっている。
時折カードのフォーマットが変更されるので、その点は留意して欲しい。
ICA(Immigration & Checkpoints Authority:入国管理局)のサイトに最新のカードが載っているので確認することもできる。
シンガポールの場合、入国カードと出国カードが一体となっているが、これは自分では切り離さないこと。
入国審査時にパスポートと一緒に提出したときに、審査官が切り離してくれ、半券となっている出国カードだけを返してくれる。
受け取った出国カードはシンガポールを出国するまでは念のために保管しよう。
以前は出国時にこの半券を提出する必要があったが現在は不要だ。
出国カードを紛失した場合
記述のように今では出入国カードの半券、つまり出国カードを紛失しても特に問題はない。
出国時のイミグレでの回収が不要となったからだ。
シンガポール入国審査時のトラブルと注意点
このところ日本人がシンガポールに入国する際に、入国審査でいろいろとトラブルになる事例が増えている。
本来であればなかなかトラブルなどにはならないのだが、ちょっとした不注意がトラブルを引き起こしてしまうことも多い。
最近はシンガポールもテロ対策などの目的でセキュリティレベルを引き上げているので、チェックが厳しくなっている側面もある。
パスポート(旅券)残存期間不足
まず一番多いのが、シンガポール入国時にパスポートの有効期間の残りが規定の「6ヶ月」に満たないケースだ。
シンガポールの場合、滞在日数に関係なく入国時にパスポートの残存期間6ヶ月が求められる。
在日本シンガポール大使館でも下記のサイトで注意を促している。
通常であれば出発便に乗る際のパスポートチェックで航空会社から残存期間不足を指摘されることが多いが、アジアのLCCなどだとチェックが甘くそのままスルーされるケースもある。
まぁ、航空会社が親切でチェックしてくれている過ぎないし、本来は自分で確認すべきものなので期待しすぎるのも良くないと思う。
渡航直前に残存期間不足が分かり、シンガポール旅行がキャンセルになってしまった人が筆者の友人にもいる。
日本でのパスポートの更新は1週間以上かかるので、渡航直前に残存期間不足が分っても打つ手がない。
ネットなどでは残存期間が6ヶ月を切っていても何とか入国できたケースも見かけるが、それはあくまで運が良かっただけで、裁量を持つ入国審査官次第だ。
このような自体は避けるに越したことはないので、十分に注意して欲しい。
入国カードの記入漏れ
シンガポール入国審査時には、パスポートと合わせて必要事項を記入した「入国カード」を審査官に提出しないといけない。
記入漏れがあると審査官に指摘され、記入をするよう指示されるので慌てず記入すること。
特に宿泊先が不明・未定のまま入国することはトラブルの元だ。
必ず事前に宿泊先を予約・確保して、宿泊先名とその郵便番号を記入しよう。
入国カードに宿泊先を未記入、もしくは未確保でのシンガポール入国はリスクが高いことは理解しておいて欲しい。
過去に旧姓でシンガポールに入国したことがある場合
結婚などにより姓が変わっている場合は注意が必要だ。
ケースとしては下記のようになると思う。
- 婚姻や養子縁組等により、戸籍上の姓を変更した場合
- 家庭裁判所の許可を得て、戸籍上の姓又は名を変更した場合
- 国際結婚により配偶者の姓を別名として追記する場合
この場合は、パスポートの記載事項を変更する必要があり、持っているパスポートを返納した上で、「新たに有効期間10年又は5年のパスポートの発給申請(切替申請)」か「返納パスポートと残存有効期間が同一の新たなパスポート「記載事項変更旅券」を発給申請」する必要がある。
いずれの場合も新しいパスポートはパスポート番号が変わる。
シンガポール渡航前に新しいパスポートを入手しておこう。
過去に旧姓でシンガポールに入国したことがある場合、以前とは違うバスポート番号、違う名前で入国することになる。
必ず入国カードの「過去に現在と異なる名前のパスポートでシンガポールに入国したことがあるか?」にYESと正直に書いておくこと。
シンガポールでは入国時に指紋などの生体認証があるため、過去に入国履歴がある場合、同一人物と言うことがすぐに分かるようになっている。
旧姓での入国履歴があるにも関わらず、入国カードの上記の質問にNoと書いた場合、生体認証で入国履歴あることはすぐにバレてしまう。
嘘を書いても何もメリットはなくトラブルの元なので、正確な記述を心がけて欲しい。
入国審査時に質問されたり、別室に連れて行かれることも稀にあるが、「Married name!」とでも言えば問題ない。
心配であれば旧パスポートも持参し、提示する手もある。
まぁ、シンガポールの入国審査官は日本人(特に女性)の姓が変わることは知っているので、それほど心配しなくても大丈夫だ。
Airbnb(エアービーアンドビー)
日本でも話題になることの多い「Airbnb」所謂民泊だが、これはシンガポールでは違法だ。
Airbnbのサイトではシンガポールでも多くの家が宿泊先として登録されており、実際借りることができる。
が、これらは現時点で全て違法だ。
先日も部屋を貸し出していたオーナーが多額の罰金刑になった。
また、Airbnbで予約していたニュージーランド人の一家が、入国はできたものの、宿泊先のコンドの警備員に入室を拒否された事件もあった。
上手いことシンガポールに入国したとしても、ほとんどのコンドでは不特定・短期の旅行者への部屋の貸し出しが規制されているのだ。
入国カードに記入した宿泊先が、ホテル名になっている場合は基本的にトラブルになることはないが、コンドやHDB(公団住宅)の住所になっている場合、審査官から「この住所は親戚か友人の家か?」と聞かれることがある。
この際に「Airbnbで予約した」などと言った場合はトラブルに発展するのは間違いなしだ。
Airbnbやその他民泊サービスによるシンガポールでの滞在先確保は避けよう。
ただし、シンガポール国内でも厳しすぎるのはないかという声もあり、現在見直しの話が出てはいる。
とは言っても現時点で違法なのは事実なので注意して欲しい。
ビザ延長目的の出入国
通常の日本人がシンガポールで滞在できるのは30日間。
ただ、場合によってはそれ以上の滞在が必要になるケースもあると思う。
一番手軽、というか安易なのが一度シンガポールを出て隣国に行き、再入国をすることによってビザの延長をすること、所謂ビザランだ。
特にシンガポールと隣国マレーシアのジョホール・バルは、バスで簡単に往き来できてしまうため、ビザラン目的で往復するケースがある。
陸路の場合、14日間もしくは30日間が認められる。
詳細は下記の記事を参考にして欲しい。
実はシンガポールはビザ延長目的の短期間での出入国は違法としている。
ビザランを疑われる場合は入国拒否されることもある。
シンガポールでの就労許可を得ていないのに、ビザ延長目的で頻繁にシンガポールとジョホールを往き来していると、まず審査官の目に止まって、別室に連れて行かれるとになる。
タチの悪いシンガポールの日系企業で、この手段を使っている話も聞くが、かなりのリスクがある行為と言うことを理解しておくべきだ。
もちろん、旅行客がシンガポール観光のついでに日帰りでジョホールに遊びに行く場合は問題はないので安心して欲しい。
Extension of Short Term Visit Pass
上記のようにシンガポールでの一般的な日本人の滞在ビザの有効期間は30日間なのだが、実は入国後、ネットで申請をすればさらに30日間、計60日間に延長できる。
ローカルのスポンサーがいたり、指定病院での療養目的であれば計89日まで延長可能だ。
それが「Extension of Short Term Visit Pass (e-XTEND)」で公式サイトから申請可能だ。
これが一番まっとうなビザの延長手段だ。
ビザの延長が必要になった場合は、最初に付与された30日のビザが切れる前にこのサイトで申請しよう。
申請時に現行のビザの有効日数が2日以下だと申請できない。
また何らかの理由で許可が出ないケースもあるので、その場合は出国することとなる。
さて、このe-XTENDを取得しても注意が必要だ。
e-XTENDで延長した後に、シンガポールから出国すると延長した分のビザは無効になり、さらに5日間シンガポールへの再入国ができなくなる。
それを知らずに週末ジョホールに遊びに行ってしまい、シンガポールに戻れなくなった事例もある。
十分に注意して欲しい。
コメント
はじめまして、5月にシンガポールへ行くのですが、入国カードの記入欄に 滞在ホテルの郵便番号を記入する欄がありますが、
郵便番号がわからない場合はどのように調べたら良いでしょうか よろしくお願いします。
ご愛読ありがとうございます。
Google mapなどでホテルを検索し住所を確認してみてください。
6桁の番号が記載されていますので、それが郵便番号です。
こんにちわ。
ネパールへ行くときにトランジットの時間が長いので、入国したいのですが、その場合の記入の仕方はありますか?友人宅に伺う予定です。住所も聞いています。機内でCAさんに聞いたらいいでしょうか?
ご愛読ありがとうございます。
ダイキチです。
トランジットの場合も通常の入国手続きと同じです。
問題なく入国できます。
ダイキチ