パスポートの増補が廃止へ
シンガポール駐在にとって気になるニュースが入ってきた。
現行、日本のパスポートは出入国時にスタンプが押される査証(ビザ)欄ページが少なくなった場合に「増補」、つまり増ページが可能だ。
シンガポール駐在者の場合、近隣の国への出張が頻繁なため増補をしているケースが多い。
製造業などでは、毎日のようにシンガポールからマレーシアへ通っている駐在も多いことと思う。
この場合、マレーシア側のイミグレで入国時と出国時の計2回スタンプが押されるので、あっという間に査証欄ページ(10年パスポートなら44ページ)がなくなってしまう。
増補が廃止された場合、頻繁に在シンガポール日本大使館でパスポートの更新をする必要に迫られる可能性がある。
この問題、前段としてマレーシア政府が「MACS」の付与を昨年6月に廃止したことが、事態を深刻にしている。
MACSの廃止
MACS(Malaysia Automated Clearance System)とは、マレーシア入出国時のパスポートへのスタンプを不要にするシステムで有効期間は1年間、発給手続きもシンガポール国内で簡単にできたので、マレーシア(ジョホール)間を頻繁に往き来する外国人には非常に便利なシステムだった。
が、2018年6月に突然マレーシア政府がセキュリティ上の問題を理由にMACSの発給を停止し、2019年6月にはすでに発給済みのMACSも期限を迎えることになる。
これは日本人に限らず、シンガポール人にも影響が出ている。
今までMACS用ゲートを利用して入出国していた人達も、一般ゲートで入出国審査及びパスポートにスタンプを押されることが強制されることになった。
これにより、ただでさえ深刻化しているシンガポール・マレーシア間の2つの橋(コーズウェイリンクとセカンドリング)の混雑がさらに悪化する可能性が高い。
パスポートの増補
このMACS廃止を受けて、パスポートの査証欄の残ページ数に神経を使っていたタイミングでの増補廃止の報道である。
旅券法改正の国会審議はこれからで、すぐに増補制度がなくなるわけではないが、しばらく注意を払う必要はありそうだ。
また、増補自体は在シンガポール日本大使館で当日交付が受けられる。
詳細は下記の大使館のサイトを参照して欲しい。
増補は下記の写真のように、40ページ分の査証欄がパスポートにテープで貼り付けれる。
正直見栄えも良くなく、そもそも公証にテープとは…と思わないでもない。
実際、増補したパスポートを外国の入管で提示して、旅券の偽変造を疑われる例があるのも事実だ。
制度の変更はやむを得ないとは思うが、シンガポール駐在の頭痛の種が一つ増えることになりそうだ。
以上、パスポートの増補廃止報道に関する備忘録。
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