シンガポールのタクシーアプリの使い方と乗り方 – Grab編
Uberの東南アジア撤退
先日、タクシーアプリ「ComfortDelGro」を紹介する記事をアップしたが、その次のネタとして同じくタクシーアプリの「Uber」を紹介する記事を用意していた。
記事を書き上げて予約投稿したところで、まさかの「Uberの東南アジア撤退」が報道されてしまった。
3月26日の朝に本格的にこの件の報道がなされ、その日の夕方にUberから利用者に届いたメールがこれだ。
超約「東南アジア事業はGrabに売却したのでUberのタクシーアプリは4月8日までに使えなくなるからね。今後はGrabを使ってね!UberからGrabへのアカウント移行は面倒なのでやらないよ。Grabのアカウントがない人は新しく作る必要があるからね。ヨロシク!」
しかも、このメールが配信された頃には、Uberの従業員も会社から追い出されていたらしい。
いや、この割り切りの良さにはちょっと驚いた。
朝出勤したら自分の勤める会社の事業が売却されており、昼には会社から追い出されるなんて、ちょっと想像がつかない。
このお陰でせっかく書いたUberアプリ紹介記事のお蔵入りなのだが、不幸なUberのライドシェア部門の従業員のことを考えれば些細なことだ。
しかしこの事業売却、これまでのGrabとUberの激烈な競争からGrabの独占へ一気に状況が変化する話だ。
利用者としても不安があるし、シンガポールに限らず他の東南アジアの国も含めて、当局との調整などがうまく進むのかは筆者には疑問だ。
さて、前置きが長くなったが、今回はUber亡き今、シンガポールで圧倒的なシェアを獲得したタクシー配車&ライドシェアアプリ「Grab」のインストールから使い方までを紹介する備忘録。
「Grab」のインストールとアカウント作成
アプリのダウンロード
このアプリの入手は下記のアイコンからできるので参照して欲しい。
アプリの初期設定とアカウント作成
今回はiOS版を例に説明する。
インストール後、位置情報と通知の許諾を求められるので「許可」をタップする。
次にGrabのアカウント作成画面になる。
アカウントはFacebookやGoogleも利用可能だが、今回は携帯番号を使ったアカウントを作成するので、「Continue With Mobile Number」をタップ。
携帯番号とメールアドレス、氏名を入力する。
すぐに携帯にSMSで4桁のパスワードが送られてくるので、これを入力する。
これでアプリ側の初期設定は完了だ。
また、これと同時に登録したメールアドレス宛に、アドレスが有効であることを確認するメールが送られてくるので、メールアプリで開き「Verify E-mail Address」をタップする。
これによりGrabのアカウントがアクティベートされる。
以上で、アプリの設定とアカウントの登録は完了だ。
Grabアプリの使い方
支払い方法の登録
さて、初期状態のままだとタクシーの支払い方法は現金だけとなる。
このアプリの利点はタクシー料金の支払い方法が幅広いことだ。
これにより面倒な現金やお釣りの受け渡し、ボッタクリやチップの要求とはおさらばだ。
まぁ、シンガポールではそんな悪質なタクシードライバーはいないが、他の東南アジアの国だとこれは計り知れないメリットだ。
メインメニューの「GrabPay」をタップすると、このように各種支払い方法を登録することができる。
登録できる支払い方法は下記のとおり。
「Top-up CREDITS」…事前にポイントを購入するプリペイド方式
「CREDIT / DEBIT CARD」…クレジットカードもくしはデビットカードによる支払い。目的地でタクシーから降車した時点で決済。
「ALI PAY」…ご存じアジアのQRコード決済のスタンダード「淘宝网(タオバオワン)」による決済。
「PAYPAL」…電子メールアカウントを利用した決済サービス。
これだけ支払い方法があれば、困ることはないはずだ。
今回はクレジットカードを登録するので、「ADD CREDIT / DEBIT CARD」をタップし、カード番号や有効期限などを入力するだけで登録は完了だ。
これら支払い方法はサービスを提供している国によって違うの注意。上記はシンガポールでのサービスになる。
ただほとんどの国でクレジットカードもくはデビットカードによる支払いはできるので安心だ。
Grabのサービスは多種多様
呼ぶ車の種類やサービスも選択できる。
「JustGrab」…通常はこれ一択。最寄りのタクシーもしくはGrabタクシー(要は白タク。違法ではない)を配車することができる。
「GrabShare」…タクシーもしくはGrabタクシーを他の人と相乗りで利用するサービス。同乗者と料金をシェアできる。
「Standard Taxi」…普通のタクシーを配車するサービス。料金は少し高めで、固定料金ではない。
「GrabHitch」…ある方面に向かう素人ドライバーの車に同乗させて貰うサービス。分かり易く言うと有料ヒッチハイク。すぐに配車されるわけではなく、最低でも10分前に予約が必要。料金は「GrabCar」よりも10〜30%安く、Grabの配車サービスの中では最安。
「GrabCar」…普通のタクシーではなくGrabに登録している白タクサービス。料金は「Standard Taxi」より多少安い程度。
「GrabFamily」…チャイルドシート付きのGrabCar配車。料金高め。
「Electric Taxi」…「Standard Taxi」より割高だけども中国BYDの電気自動車に乗れる。エコですね、エコ。筆者も乗ってみたいがまだ乗ったことがない。
乗車から降車まで
さてGrabアプリのメイン画面にはサービスを提供できる近隣の車が表示される。
まずは現在位置を入力する。
GPSデータから一応現在位置が自動入力されるのだが、微妙にずれることもあるので、基本的にはホテルなどの施設名、もしくはタクシースタンドのコードなどを入力して、配車してもらう地点を確定させる。
シンガポールの各タクシースタンドには、全てロケーションナンバーがあり、上記のタクシースタンドだと「A08」となる。
このナンバーを入力するだけで、タクシースタンドの指定できる。
乗車ポイントや降車本ポイントは前述のように施設名、住所、ロケーションナンバーの他、アプリ上の地図からも指定が可能だ。
乗車ポイント、降車ポイント、支払い方法(今回はクレジットカード)、サービスの種類(今回はJustGrab)を選択。
今回の料金はS$8の固定料金だ。
あとは「BOOK」をタップ。
すぐに車の検索が始まり、ドライバー名と車のナンバー、車種、そしてドライバーのレーティングが表示される。
車が現在どの位置にいるのかもGPSデータを通じてリアルタイムに表示される。
また、もし何かトラブルで行き違いがあってもアプリ上からドライバーに電話をかけたり、もメッセージを送信することもできる。
車が近くに来ると、上記のような通知がアプリに表示される。
確実に乗車する場所に居るようにしよう。
あとは来た車に乗るだけ。
今回はMAZDA3(日本名アクセラ)のGrabCarだった。
車内は清掃されており、下手なプロのタクシーよりも綺麗かも。
乗車中も現在位置、目的地、道路状況をアプリで確認することができる。
目的に到着したらドライバーに「サンキュー」と言って降車するだけ。
料金は降車してすぐにクレジットカードで決済され、登録してあるメールアドレス宛に上記のようにレシートが送信されてくるので、出張者にも安心だ。
最後に
今回は筆者の暮らすシンガポールを例に挙げたが、他の国でも同一のアプリでサービスを利用できる。
ただし、サービスの種類は国によって違いがあるので注意して欲しい。
記事の最初にも書いたが、東南アジアでの旅行や出張の際のタクシー利用は何かとトラブルがつきものだ。
だがこのGrabのサービスを利用すれば、それらのリスクを低減出来るので是非活用して欲しい。
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