武漢肺炎(新型コロナウイルス)|シンガポールで初の感染者確認
最初の感染者確認と感染の拡大
旧正月直前のタイミングで、シンガポール国内で初の「武漢肺炎(新型コロナウイルス)」の患者が確認された。
患者は武漢在住の66歳の中国人で、9人の仲間とセントーサ島にある高級ホテル「シャングリ・ラ ラサセントーサ リゾート&スパ シンガポール」に1月20日より滞在していた。
また、同行していた最初の患者の息子も陽性であることが判明し、さらにこの旅行客とは別に、53歳の中国人女性も予備検査で陽性が確認され、記事更新時点で3名の感染が確認された。
最初の感染者が滞在したホテルは消毒を実施、同行者はJBへ
最初の患者らが宿泊したホテルの部屋はすでに消毒され、現在は密閉された状態であり、館内全体の消毒作業やスタッフの予防対策が進められているが、一部の宿泊客は予約を取り消すなどしている模様だ。
最初の患者と旅行を共にしていた8名は、すでにシンガポールを離れ、隣国マレーシアのジョホールバルに移動し観光を続けていたが、感染の疑いがあるため現地でマレーシア当局により隔離されている。
当局はスクリーニングを強化
シンガポールでは中国からの旅行客全てに体温チェックなどのスクリーニングを実施しているが、すでに感染が疑われる症状を持つ旅行客28人が見つかっており、より精密な検査を受けている。
そのうち7人がすでに陰性であることが確認されている。
専門家は、もともとシンガポールは中国との往来が多いため、これからより症例が増えることが予想されるが、現時点では局所的な事案であり、すぐに一般人にとってのリスクとはならない、と述べている。
すでにシンガポール当局は武漢肺炎の流入阻止に向け、複数省庁にまたがるタスクフォースチームの会合を開き、陸と海の国境管理と検診も強化することを打ち出している。
中国の対象地域への渡航を控えるよう勧告
またシンガポール保健省(MOH)はシンガポールから武漢のある湖北省全域への渡航を控えるよう勧告を出した。
MOHは中国からシンガポールへの旅行者に対し、入国後2週間は健康状態を注意深く監視し、気分が悪い場合は直ちに渡航歴を明らかにした上で医師よる診察を受けるように促している。
その際、咳や息切れ、発熱などの呼吸器系の症状がある人は、感染拡大を防ぐために病院に行く前にマスクを着用して、まずは電話で連絡するよう求めている。
リー・シェンロン首相は国民に冷静で注意深い対応を呼びかけ
ダボス会議出席中のリー・シェンロン首相は、観戦の拡大と流入は予想された事態であり、すでにシンガポールは感染拡大防止の対策が整っていると述べた上で、国民に対し「冷静で注意深い対応」を求めた。
ICAはシンガポール国内でのデマ情報に注意を喚起
24日、ICA(出入国管理局)は、武漢から100人以上の旅行者がシンガポールへの入国を拒否されたというSNS上での情報についてデマであることを表明し、市民に根拠のない噂を広めないように求めている。
シンガポールにおける武漢肺炎の最新情報
MOHによる武漢肺炎に関する最新の公式情報やリリースは、下記のサイトで頻繁にアップデートされているので参照してほしい。
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